今回の記事は
「着物を始めてみたいけれど、買うなら何色からがいいの?」
「自分に似合う、着回し力のあるカラーを知りたいな」
「少ない着物でも、着物コーディネートを楽しんでみたい」
という方におすすめの記事です。
10代後半でパーソナルカラー、20代前半では着物を学んできた筆者が、今までの経験と知識から「似合う色(パーソナルカラー)から導く、少ない枚数でも着物コーディネートを楽しむ為の着物や小物の色選び」をお伝えします。
なお、GABIでは「4シーズン(春夏秋冬の4タイプ)」をベースにしております。
「似合う色」と言っていますが、パーソナルカラーが分からなくても大丈夫ですよ。
記事中の画像を見て「自分が好きな色」や「ここちよい色」の多いグループを参考にしてみてくださいね。
なお、各協会や先生方により色の考え方にも個人差があり、どのお考えも素晴らしいものだと思っています。あくまで「私」の考えをお伝えしますので、役に立ちそうだと思ったところを参考にしていただけると嬉しいです。
色についての「3つの要素」
まず、色についての簡単なお話からはじめましょう。
皆さんが見ている「色」は、「色相(しきそう)」「明度(めいど)」「彩度(さいど)」の3つの要素から成り立っていると考えられています。
色相とは→色味の違いのこと
明度とは→色の明るさのこと
彩度とは→色の鮮やかさのこと
この3つの要素&似合う色(パーソナルカラー)をもとに、着回し力のあるお色を探そう!という考え方です。
着物初心者の方におすすめ!はじめの2色
「初めて着物を買おう」と思っている方におすすめなのが、「明度」を基準にした「明るい色」と「暗い色」の2色。
明るい色とは「白系」
暗い色とは「黒系」
この2色は、広範囲の色を受けとめてくれる万能カラーなので、お洋服でもお持ちの方が多いのではないでしょうか?
小物の色使いで雰囲気もガラリと変えられることができるのも、ベーシックなお色ならでは。
しかし!意外にも、この2色は「色が強い」と言われるカラーの為、パーソナルカラーに合わせた「白系」「黒系」ですと、よりしっくりきますよ。
例えば、イエローベースのスプリング(春)・オータム(秋)の方は
「ベージュ」や「ブラウン」系
ブルーベースのサマー(夏)・ウィンター(冬)の方は
「ホワイト」や「グレー」系など。
なお、暗めで無地、そして正絹のような柔らかさのあるお着物は、見る方によっては「喪服」のイメージを持たれるかたもいらっしゃいます。着ていく場所や同伴される方に合わせてお選びになるか、柄が入っているものがおすすめです。
次にオススメは、色相(色の違い)によって選ぶ2色
次に揃えるおすすめの色は「色相(色の違い)によって選ぶ2色」
色の分け方は沢山ありますが、今回はパーソナルカラーでも使われる、PCCS(日本色研配色体系)の構成基準となる「心理四原色」を用いてご紹介します。
心理四原色とは… ドイツの生理学者、神経科学者エヴァルト・ヘリングが唱えたもので、人間の視細胞は赤、黄、緑、青色に反応する。つまり人間の眼は、その4色を基準としているという考えかたのこと。
これによると、まず色相は「赤、黄、緑、青」に分けられます。
そしてさらに、上記の色の補色(その色の対になる色)を含めると
「赤・黄みの橙・黄・緑・青緑・青・青紫・赤紫」の8色に分けることができます。
この8色をベースに考えた時「イエローベースとブルーベースで得意な色」というものがあり、それが以下の表の色相のところです。
Yがイエローベース、Bがブルーベース、Y/Bは両方。
これで分けると、イエローベースの方は「黄みの橙・緑」
ブルーベースの方は「赤紫・青紫」が得意なことがわかります。
ここに、色の3要素「彩度」が加わり、よりその人にとって似合うカラーをみていくのがパーソナルカラーなのですが、今回はそこは割愛。
気になる方は是非一度パーソナルカラー診断を受けてみてくださいね。(突然のCM(笑))
ここまでをまとめると
イエローベース(スプリング春・オータム秋)の方は
① ベージュ・ブラウン
② 橙・緑
ブルーベース(サマー夏・ウィンター冬)の方は
❶ ホワイト・グレー
❷ 赤紫・青紫
の4色が「これから着物をはじめてみたい」という着物初心者の方に、特におすすめのお色です。
着物でも小物でも、この4色は一軍間違いなしの優秀カラーですので「何色から揃えようかな?」と悩まれている方は参考にしてみてくださいね。
*色見本の一部をご紹介していますので、実際には、もっと沢山のお色がありますよ。
さらにそこから!ベストな4色
この4色を揃えたら、次におすすめのカラーがイエローベース・ブルーベース両方に似合う色
「赤・黄・青・青緑」系の4色。画像のY/Bのカラーです。
このお色も、パーソナルカラー別に分けることができます。
その他に揃えるとしたら何色?
そして、最後にそれぞれのグループで少し苦手な色の分野
イエローベース(スプリング春・オータム秋)の方は「紫」系
ブルーベース(サマー夏・ウィンター冬)の方は
「橙・緑」系
を入れると、基本的なお色が揃うのでコーディネートの幅がグッと広がります。
最後に
この記事では
「これから着物をはじめたいけれど、何色を買おうか迷っている方」や
「少ない枚数でも着物コーディネートを楽しみたい」というかたに向けて、かなりザックリと似合う色(パーソナルカラー)に沿った色選びの説明をしました。
パーソナルカラーと一言でいっても、色相・明度・彩度によって似合うお色は一人一人違います。この記事にある色見本もほんの一部です。
そして、色はグラデーションになっているので「緑が少し苦手かも」と思われている方でも、どこかに「似合う緑」があると私は考えています。
「パーソナルカラーにとらわれる」のではなく
「そっと背中を押してくれる存在」として、色の力を使っていただけたら嬉しいです。
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